初めまして、院長の斉藤洋希です。
私の祖父は盲目でした。
それでも、自分のことは自分でやれる、点字の分厚い本をよく読む、勤勉でどこか悟ったような人物だったと記憶しています。
祖父は鍼灸師で、現役を引退してからも毎週末自宅に祖父のファンが訪れては、施術をしていました。
小学生だった私は盲目の祖父の代わりに、針に付けた艾(もぐさ)に線香で火を付ける役目。
体中に針を刺し、熱い艾がのっている状態。
その光景が、私には不思議でした。
それでも帰り際、どんなお客さんも毎回穏やかな笑顔で
「ありがとう」
と祖父に告げて帰る姿を見て、誇らしい気持ちになったのを覚えています。
身体への興味の原点はそこでした。
しかし、祖父と同じ道ではなく、私はまず「義肢装具士」の国家資格を取得し、
義肢装具製作会社に就職し、日々病院を巡り、患者様に義肢装具を製作、適合。
やりがいはありましたが、どこかで、
「道具に身体を馴染ませる違和感」を拭うことができませんでした。
そこからまた身体の勉強を始め、「東洋医学」「氣功整体」「立腰体操」「NLP心理学」「体癖論」など、さまざまな勉学と先生に出会い、改めて身体の世界にのめりこみました。
今では、祖父がどれだけ凄かったのか、少しだけ分かります。
盲目だったが故、人より多くのものを感じ取っていたのだと、改めて確信を持ちました。
祖父に恥じぬ施術家となるべく、日々学び、日々考え、日々を感じ、”氣楽”な世界を追求しています。