義肢装具士への転職【リスクとリターン】

義肢装具士に興味はあるけど、転職ってどうなんだろう・・・。

年齢も気になるし、いろいろリスクありそう・・・。

今回は、義肢装具士への転職を考えている方に向けて

転職のリスク・リターンをご紹介します。

転職にはさまざまなリスクがつきものです。

義肢装具士の場合はどんなリスクリターンがあるのか、元義肢装具士の視点から解説します。

本記事の内容は以下の通りです。

 

義肢装具士へ転職するリスク

まずは、義肢装具士へ転職するにあたり、そのリスクを解説します。

転職は、義肢装具士に限らずさまざまなリスクがあります。

今回は特に、義肢装具士への転職で発生するリスクにフォーカスを当てていきます。

 

養成所におけるリスク

まず、義肢装具士になるためには、専門の養成校に通う必要があります。

そして、養成校では最低3年学ばねばなりません。

これは、義肢装具士の国家試験の受験資格を得るためには避けて通れない道です。

 

お金のリスク

ここで、少しお金の話をします。

何か仕事をしない限り、当然その3年間の収入はゼロです。

そして、養成校の学費もかかってきます。

国立に入学しない限り、3年間で約300~500万円ほどかかります。

しっかりと貯金がないと、3年間無収入は大きなリスクです

また、義肢装具士はさまざまな道具を必要とします。

いい道具を揃えようと思えば、それなりにお金もかかります。

ある程度まとまったお金がないと、生活自体が厳しくなります。

 

勉強のリスク

義肢装具士は、医療職としての側面、技術者としての側面があり、

勉強する範囲は広いです。

そして、多くの人が躓くのが、製作実習です。

座学はしっかり勉強していけば何とかなりますが、製作に関してはそうもいきません。

初めから製作が早い人、綺麗に仕上げられる人、丁寧な人、そういった人がいるように、

製作を得意としない人もいます。

 

多くの学校では、進級をかけたテストとして、座学と製作の2つがあります。

座学は勉強に励むしかありませんが、問題は製作です。

製作は、義肢装具が完成するまでの時間を見られます。

座学と違って、製作はいつでも練習できるわけではありません。

授業の中で確実にスキルアップしていく必要があります。

もし、製作のテストを落としてしまえば、もう一年無給の時が続くばかりか、

もしかしたら
自分には才能がないのかもしれない・・・。

と、心が折れてしまい、学校を辞めてしまう方も居ます。

 

企業におけるリスク

見事養成所を卒業し、国家試験に合格したら、いよいよ就職です。

ただ、義肢装具士の仕事は決して楽ではありません。

具体的に何が大変なのか、以下のページにまとめています。

義肢装具士の悩み・苦労【経験談】

 

義肢装具士の業界は、離職率は低くはありません。

「せっかく義肢装具士の資格をとったのに・・・。」

と思うかもしれませんが、やはりそれだけ厳しい一面もあります。

 

また、給与面としても、他の医療職に比べて良いわけではありません

拘束時間の長さから見ると、働いた時間に対して低く感じるかもしれません。

義肢装具士の利益がどのようにして入ってくるのかは、また別記事でご紹介しますが、

現状の制度だと爆発的な利益は難しいでしょう。

もちろん、企業や病院によっては高待遇・高収入のところもあるかとは思いますが、

どの業界でも言える事ですが、ごく一部です。

 

「自分の時間」、そして「給与」

この2つは、転職前の職業と比較するとリスクに繋がる可能性があります。

待遇については十分に検討し、就職先を選ぶ必要があります。

 

 

義肢装具士へ転職するリターン

様々なリスクを紹介しましたが、ここからは、義肢装具士に転職するリターンについて解説します。

主な内容としては、仕事面・精神面について見ていきましょう。

 

 

仕事面

第一に、非常に「やりがい」のある仕事です。

やりがいと言っても個人の感じ方でさまざまですが、

多くの方がやりがいを感じやすいポイントを、以下の記事でまとめています。

義肢装具士のやりがい【元義肢装具士が語る】

自分の手で、患者様の手足となる義肢装具を作り上げることは、責任が大きい分非常にやりがいを感じます。

 

また、病院など様々な場所に出て行くので、多くの人と関わりを持つことができます。

ドクターや他の医療職の方と連携をとると、非常に勉強になることが多いです。

義肢装具士は医療職である以上、常に最新の治療法が出てきます。

勉強し続け、自分の中に知識が積み重なっていくのも、大きなやりがいです。

 

また、義肢装具士は独立がしやすいです。

知識と技術を磨いていけば、十分に独立を目指せます。

将来的には自分の会社を持ちたいと考えている方には、挑戦しやすい業界です。

 

 

精神面

義肢装具士は、直接患者様と接する職業です。

自分が製作した義肢装具によって、患者様が身体機能を取り戻していく姿を見る事ができるのは、大きなモチベーションです。

なにより、そういった患者様からいただく言葉

「ありがとう」

この方の力になれて良かったと、心底感じる瞬間です。

 

また、長く病院に行くことで、ドクターや看護士さんと信頼関係ができ、

義肢装具について相談してもらえることは、大きな喜びです。

基本的に義肢装具士は、「医療職」として見られることが少ないので、

相談をしてもらえるということは、義肢装具士という肩書きよりも、

個人の技術や知識を信頼してもらえた場合が多いからです

それは何より自信に繋がります。

 

 

まとめ

今回は、義肢装具士への転職をお考えの方に向けて、そのリスク・リターンを解説しました。

私自身、転職で義肢装具士になったため、正直不安が大きかったことを覚えています。

しかし、義肢装具士は転職して養成所に入る方が多いです。

実際、クラスでも3分の1程度が転職者でした。

悩むことも多いかと思いますが、あの頃の自分が知りたかった情報をまとめたので、

この記事が少しで役に立てたのなら幸いです。

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