義肢装具士になるための最短ルート【元義肢装具士のオススメ!】

こんにちは、元義肢装具士のyouyouです。

今回は、義肢装具士になりたい!という方のために、最短で義肢装具士になるための方法をご紹介します。

本記事の内容は以下の通りです。

 

義肢装具士とは~業務内容について~

本記事を見て下さっている方は、義肢装具士に何かしらの興味があるかと思います。

まずは、簡単に義肢装具士とはどんな仕事をするのかを解説します。

義肢装具士には大きく分けると3つの業務があります

  1. 患者様の型をとる採型業務
  2. そこから義肢・装具を作る製作業務
  3. 製作物を患者様の身体に合わせる納品業務

 

もろもろ細かい仕事はあるのですが、ざっくり言うとこの3つです。

細かくは別記事でまとめていますので、よければそちらをご覧ください。

 

義肢装具士にしかできない仕事とは

この3つの中で、

義肢装具士にしかできないものが、①と③です!

患者様に直接触れる①と③に関しては資格が必要です。

逆に言えば、製作業務には資格は不要です。

現に製作会社によっては、義肢装具士は製作業務にあまり関わらない場合もあります。

 

つまり、製作だけしたい!という方は、そもそも資格を取得する必要がないのです!

義肢装具に関わろうとすると、資格が必須のように思われがちですが、そんなことはありません。

義肢装具製作会社には、無資格の方も多数在籍しています。

(製作は製作で資格もありますが、必須ではありません)

直接患者様と関わりたい!という方は、資格取得を目指しましょう!

 

 

義肢装具士になるための学校選び~専門?大学?~

義肢装具士の資格取得には、養成所を卒業することが最も近道です。

それ以外にも、海外の養成所を卒業すると「義肢装具士国家資格の受験資格」を得ることができます。

(ただし、国によっては認められない場合もあるそうなのでご注意を)

つまり養成所選びが重要になります。

 

養成所の種類

養成所には

  • 専門学校
  • 大学

この2つの選択肢があります。

それぞれの特徴や違いを説明します。

まず大きな違いは、卒業までの年数です。

専門学校は最短で3年

大学は最短で4年

現在、2年で卒業できる養成所はないので、最短でも3年必要になります。

 

専門学校と大学の違い

ではそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

専門学校のメリット

  • 3年で卒業可能!
  • 大学に比べ、学費を抑えられる。
  • 義肢装具士になるための授業内容に特化している。
  • 歴史があり、業界との繋がりが豊富。

 

大学のメリット

  • 義肢装具士に関わる授業ばかりでなく、幅広い知識を身に付けられる。
  • 福祉用具に関わる資格など、義肢装具士に役立つ他の資格を身に付けることが可能。
  • 大学卒業というキャリアを得られる。
  • 「高度専門士」として称号が付与される。

 

それぞれにメリットがあるので、一概にどちらがいいとは言い難いです。

ただし、最短で義肢装具士を目指す場合は専門学校をおすすめします!

そして、義肢装具士を目指せる養成所の中で、唯一国立の養成所があります。

 

国内唯一の国立養成所

それが、「国立障害者リハビリテーションセンター学院」です。

唯一の国立であるため、圧倒的に学費が安い!!

そして3年制です。

ただし、その分定員が10名と少なく、入試も他の養成所と比べ難易度は高いです。

国立ということもあり倍率も高いですが、目指す価値はあります。

 

「専門士」と「高度専門士」の違い

大学側のメリットで紹介した、「高度専門士」という言葉。

種類としては2つあり、「専門士」と「高度専門士」に分けられます。

シンプルに言ってしまうと、

2年以上の専門学校を卒業できれば「専門士」の称号を付与され、

4年以上の専門学校・大学を卒業できれば「高度専門士」の称号を付与されます。

 

「高度専門士」になった方がいいの?

私自身、「高度専門士」の称号を取得すべきか非常に悩みました。

しかし、あくまで今後義肢装具士として現場で働いていくつもりならば、

正直あまり関係ないです。

「高度専門士」は、大学卒業者と同等以上の学力があると認められ、大学院の入学資格が与えられます。

大学院を目指すのであれば、高度専門士になることは必要です。

ですが、現場では、「高度専門士」だからといって得をすることはほとんどありません。

むしろ、早めに卒業して現場での経験を積んでいる人間のほうが、重宝される傾向にあります。

大学院に行くことを視野に入れていないのであれば、無理して取得する必要はありません。

 

 

義肢装具士としての就職先~企業?病院?~

義肢装具士の就職先は、主に義肢装具製作会社と病院に分かれます。

比率としては100:1くらいで企業勤めの人が圧倒的に多いです。

 

就職先としての企業の選び方

では、自分にあった企業に就職するためには、どんなポイントがあるかご紹介します。

まず、注目するべきが、

  • 分業制
  • 一貫制

企業がこのどちらの形態をとっているかが重要です。

 

「分業制」と「一貫性」の違い

まずは「分業制」から説明します。

分業制とは、義肢装具を患者様に装着するまでの流れを細分化し、それぞれ担当する人を分けるやり方です。

1つのモノが患者様の手に渡るまでの流れを見てみましょう。

  1. 病院へ行き、患者様の型を採る
  2. 型を持ち帰り、製作をする
  3. 再び病院へ行き、患者様に納品(フィッティング)する

ざっくりと流れを書きましたが、このそれぞれを別の人が担当する方式です。

製作に関しては、さらに細分化して、各工程に担当者がいる場合が多いです。

メリットとしては、

  • 担当する分野のスペシャリストになれる。
  • 苦手な業務をしなくていい。

などがあります。

 

次に「一貫制」について。

一貫制は分業制とは逆に、全ての工程担当者が行う方式です。

メリットとしては

  • 患者様に関わった人が全ての工程を行うので、自分の設計図通りのモノが出来上がる。
  • 製作工程全てに関わることができる。

などがあります。

分業制に対して、全ての工程の携わることができるので、自分のイメージを直接形にできる代わりに、1人1人にかかる負担は大きいです。

 

地域性の違い

義肢装具は、地域によって作るもの・作り方が違ってきます

これは実際に実習などに行くと分かりますが、地域による差は大きいです。

また、会社によって作り方や用いる義肢装具は変わります。

求人票からは見えてこない情報ですが、作るものにこだわりたい方は、実際に会社を見学し、どんなモノを作っているのか見てみることをおすすめします。

 

就職先として「病院」を選びたい場合

病院に勤めたい!という方のために、その場合どうすべきかを書きます。

まず、企業に比べて病院での就職はハードルが高いです。

というのも、圧倒的に求人が少なく、倍率が高いからです。

病院勤めの義肢装具士は、待遇がいい場合が多く、また募集人員も少数です。

欠員が出た場合しか募集しないことがほとんどなので、倍率は上がります。

それに条件も厳しいことが多いです。

例えば

  • 義肢装具士として勤務年数3年以上
  • 義手・義足に対応可能
  • 製作経験豊富

これはあくまで例ですが、病院の場合、人員が少ないので即戦力を求められる場合が多いです。

待遇もよく、ドクターやリハビリ系の職業の方とも連携がとりやすいので、環境としてはいい場合が多いですが・・・。

就職難易度は高めだと思っておいた方がいいでしょう。

 

最短で義肢装具士になるには?

まとめです。

最短で義肢装具士になるには

専門学校(3年)に行き、資格取得後、義肢装具製作会社へ入りましょう。

中には青年海外協力隊などで海外に行かれる方もいます。

ですが、かなり経験がモノをいう世界です。

逆に言えば、経験を積んでいけば選択肢の幅は広がります。

自分の将来像を見据え、就職先などに目星をつけて学校に入るのも1つの手です。

中には、先に就職を決めてから学校に入る方もいます。

闇雲に進むよりも、目的意識がある方が成長は早いです。

この記事が、少しでも考えの一助となれたら幸いです。

 

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