義肢装具士はつらい?悩み紹介【経験談】

今回は、義肢装具士の悩みを実際の経験を元にご紹介します。

やりがいの多い仕事ですが、その分楽ではありません。

それに、現場では日々さまざまな問題が発生します。

いくつかに分類して、義肢装具士の仕事上悩みやすいポイントを解説します。

本記事の内容は以下の通りです。

 

拘束時間の悩み

義肢装具士は、基本的に拘束時間の長い仕事です。

これは、この業界全体的に言えることです。

なぜそうなってしまうのか、理由を説明します。

 

理由① 病院に滞在する時間が長い

義肢装具士は企業に勤めている限り、病院に出向いて患者様の対応をします。

その際、「待ち時間」が必ず発生します。

ドクターから依頼があった場合に病院に行くシステムなら関係ありませんが、

その病院に滞在し、その日に出た処方に即座に対応する形をとっている企業が多いです。

そうすると以下のようなことが起こります。

このようなことが起こると、待機だけで1日が終わってしまうなんてこともあります。

また、病院の診療時間が終わるまで残ることもあるので、結果として帰りは遅くなります。

 

理由② 基本的に短納期

義肢装具が必要な患者様は、今現在その症状に悩まされています。

また、手術後すぐに装具が必要な場合や、早く対処しなければ症状が悪化してしまう場合などもあり、

基本的に「短納期」です。

 

そのため、義肢装具士は病院回りが終わり、会社に帰ってきた後、製作を行う場合もあります。

(会社によって、やり方は大きく変わってきます)

病院が終わる

会社に戻る

製作に取り掛かる

こうなると、退社時間はどうしても遅くなります。

しかし、納期が翌日の場合、どうしても前日のうちには完成させなければなりません。

それに質を下げるわけにはいかないので、製作にも時間がかかります。

 

企業によってさまざまな対策をしているのですが、基本的には拘束時間は長いと考えた方がいいでしょう。

 

 

責任の悩み

義肢装具士になりたての頃、悩んでいたことがあります。

それは、先輩の後についていき、仕事のやり方を学んでいる時でした。

的確に患者様から情報を引き出し、ドクターと連携を取っている姿を見て、

はたして自分に
先輩と同じ質の義肢装具を提供できるのだろうか…

 

というのも、義肢装具の処方は実に様々で、

同じ装具を処方するにしても、どんな機能を加えるか、どんな形状にするか、選択肢は多いです。

先輩と同じとはいかなくとも、少なくとも適切に効果を発揮するものを提供しなければ、

患者様の問題を解決するどころか、悪化させてしまう可能性すらあります。

 

これは医療職全般にいえることかもしれませんが、自分の判断によって人に害を与えてしまう。

もしかすると、重大な障害に発展する可能性がある。

そのミスによって、その病院から信頼を失ってしまう。

そういった人の「命」に関わる責任というのは、憧れていた時では想像できないほど重いものです。

責任の重さはやりがいにも繋がりますが、時として深い悩みにも発展します。

 

 

医療職としての悩み(義肢装具士の立場)

義肢装具士は医療職です。

しかし、医療職の中では歴史も浅く、業界の人は職人気質な方が多くいます。

そのため、医療職の中では立場は低いです

 

もちろん、全ての義肢装具士がそうではありません。

中には、ドクターから頼られたり、他のリハビリ職と連携をとって、第一線で活躍されている方も多くいます。

それでも、未だに病院では

「業者さん」

と呼ばれることがあります。

そして義肢装具士でも、そういうものだと受け入れている方もいるのです。

まだまだ新米の頃、この状況を知って大きくショックを受けました。

 

近年では学会や勉強会も多数開催され、医療職としての地盤を固めつつあるかと感じます。

ただ、現場に浸透するまでには時間がかかります。

そういった扱いを受けることは悔しいことではありますが、

覚悟をもって、徐々にドクターにも意見を言えるよう知識をつけていくことで状況は変わるはずです。

 

 

人間関係の悩み

どの職業でも共通かもしれませんが、

人間関係が原因で退職される方は多いです。

それだけ人間関係というのは、仕事をする上で重要な要素ですね。

 

義肢装具士が主に関わる人は以下の通りです。

義肢装具士が主に関わる人
  • 会社の人(義肢装具士、事務員、製造担当者)
  • 医師
  • 看護士
  • 患者
  • 理学療法士
  • 作業療法士

上記の人だけではありませんが、主に関わる人をまとめました。

 

まず、会社の人。

これは、その会社に勤めている以上当たり前ですよね。

義肢装具製作会社に勤めている人は、職人気質な方が多いです。

まず、その雰囲気に馴染めるかどうかが大切ですね。

 

次に、医師・看護士。

この方々も、関わる機会は多いです。

そして、医師や看護士に嫌われてしまうと

非常に仕事がやり辛くなります・・・。

病院の滞在時間は長いので、病院回りが主な義肢装具士だと、職場の人間関係よりも関わる時間は長くなるかもしれません。

それと、仕事をもらえるかどうかにも直結するので、病院での人間関係は重要です。

 

続いて患者。

もちろんですが、患者様との関わりも深くなります

ただ、患者様にもさまざまなタイプの方がいるので、必ずしも全員が協力的なわけではありません。

中には、医師がどんなに必要だと言っても、頑なに拒む方も居ます。

それでも装具を作らなければならない場合、根気が必要です。

患者様との関わりは、悩みの種になりやすいですが、根気強く誠実に対応することで変化があるはずです。

 

最後に、理学療法士・作業療法士(PT・OT)。

リハビリに必要な義肢装具を製作した場合、関わることが多いです。

PTさん、OTさんは、直接連携をとるため、さまざまな点でお互いの知識を出し合います。

義肢装具に対する深い知識を持つことで、信頼も得やすくなります。

逆に、知識が浅いと信頼も得がたく、頼られなくなります

そうなると良好な関係性を保てなくなるので、注意が必要です。

 

まとめ

義肢装具士が悩みやすいポイントを紹介させていただきました。

私はそんなところで悩まない!

もっと別のことで悩んだ!

さまざまな意見があるかと思います。

今回は、私が実際に悩んだポイントを元にしていますので、一意見とお考えください。

 

正直、楽な仕事とは言えません。

辛いことも多いです。

それでも、義肢装具を必要とされている方は、世の中に多くいます

義肢装具士は必要とされる存在です。

それだけは間違いないと私は考えます。

 

この記事が考えの一助となれば幸いです。

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