義肢装具士に興味があるけど、この仕事のやりがいはなんだろう?
そんな方に、今回は元義肢装具士が実際感じた「やりがい」を紹介します。
特に、これから義肢装具士になるために勉強されている方や、
転職して義肢装具士を目指そうとしている方にオススメです。
義肢装具士の魅力の一端をお届けいたします。
義肢装具士のやりがい
義肢装具士を志す人は、どんなきっかけがあるのでしょうか。
実際に、私が現場で聞いた声としては以下のようなものがありました。
- モノづくりが好き
- パラリンピックも見て興味をもった
- 身内・あるいは自分自身に身体障害があり、義肢装具士と関わった経験がある
- 医療業界に興味がある
- 両親共、あるいはどちらかが義肢装具士
さまざまな理由がありますが、モノづくりが好きな方が多いように感じます。
では、やりがいを
- 患者様と接する上でのやりがい
- モノづくりとしてのやりがい
この2つから見ていきましょう。
患者様と接する上でのやりがい
義肢装具士の大きな「やりがい」の1つとして、患者様との関わりがあります。
1つ、私が実際に体験したエピソードをご紹介します。
ある患者様が脳梗塞により麻痺を患い、思うように足がコントロール出来ませんでした。
患者様自身ショックが大きかったようで、初めてお会いした時はずいぶんと気持ちも沈んでいる様子でした。
いろんなお話を聞き、作る装具をドクターと相談し、製作。
適合状態も良好だったのですが、あまり表情は晴れず、説明も上の空で聞いていたようでした。
実際、最初はモチベーションも低く、装具の使用を嫌がっているような状態でした。
それでも装具使用状況を確認しがてら、何度もお話をしていくうちに、徐々に元気を取り戻していき、
最終的には、日常生活にほとんど支障をきたさないレベルまで回復していったのです。
退院する直前、その患者様は私にこう言ってくれました。
「あなたに担当してもらえて良かった」
今でも思い出せるほど、嬉しい言葉です。
このように、場合によりますが、患者様の回復状況を確認し、そして直接感謝の言葉を頂くことができるのは、
私にとっては何よりのモチベーションで、「やりがい」でした。
他にも、以下のようなことにやりがいを感じます。
- 患者様の悩みを解消するお手伝いができたとき
- 義肢装具を使って、生活の手助けができたとき
- 義肢装具の外観が気に入って頂けたとき
- 義肢装具の効果を伝えてもらえたとき
- ドクターや他のリハビリ職と連携が取れたとき
ここに挙げたものは一例ですが、やりがいを感じる瞬間は多いです。
また、ドクターや他のリハビリ職の方とも関わる機会が多いので、
その方たちとしっかり連携がとれる(信頼してもらえる)と、非常に嬉しくやりがいを感じます。
モノづくりとしてのやりがい
「製作」も、義肢装具士の仕事としては重要な位置を占めています。
分業制の企業だと、義肢装具士はあまり製作に関わらない場合もありますが、
それでも、「どんなものを作るのか」を決めて、設計図を作るのは義肢装具士です。
そのため、製作工程を理解していないと、設計図は書けません。
では、モノづくりとしてのやりがいをみてみましょう。
- 自分がイメージしたものが仕上がる喜び
- 出来上がった義肢装具が、患者様の身体に適合したとき
- 1㎜単位の調整を完璧にこなせたとき
- 出来上がったものが、褒められたとき
こちらに関しては主観もだいぶ入っていますが、私はこういったものをモチベーションにしていました。
義肢装具は、患者様にとってまさに手足となる存在です。
その非常に大切なパーツを自分の手で作り上げる喜びは、他ではなかなか感じることはできません。
また、義肢装具は一度製作して終わりではありません。
モノにもよりますが、特に義手や義足は患者様と一生のお付き合いになる場合もあります。
それだけ深い関わりになることも多いです。
自分の製作したものを、徐々に改良し、より良いものになっていく様子にもやりがいを感じます。
まとめ
今度は義肢装具士のやりがいを紹介しました。
苦労も多いですが、その分喜びも多いお仕事です。
今から義肢装具士を目指す方、もうすでに勉強中の方、
義肢装具士は1人前と呼ばれるまで時間がかかりますが、その先には多くの可能性があります。
理想の義肢装具士に向かっていって下さい。
この記事が考えの一助となれば幸いです。
コメントを残す